英国日産、AP&T 社の協力でペースアップ
AP&T 社の協力により既存のプレスラインの一つを自動化することで、日産サンダーランド工場は同社の自動車向け大型車体部品の生産能力を、年間約 90 万個分増やすことを計画しています。
日産のサンダーランド工場は、年間およそ 50万台の自動車を製造する、ヨーロッパにおける最大規模の自動車工場の一つです。工場が設立された 1980 年代終盤以来、生産は大きく増加しています。
高まる需要に追いつくための手段として、施設管理部は 2012 年に、継続的な成長をサポートするために、同施設のプレス工場の生産能力の増強を決定しました。
その選択肢は、日産独自のプロセスの近代化か、非常に高いコストを払って協力会社から車体部品を購入するかのいずれか一つでした。タンデムラインのプレス機は状態が良かったため、これらを維持し、新たな自動機を搭載することに決定しました。
AP&T 社とのもう一つのプロジェクト
ほぼ同時期に、日産のサンダーランド工場は AP&T 社と自動車向けの小型車体部品の製造を合理化することを目的としたオートローダー* と呼ばれる別のオートメーションプロジェクトに取り組んでいました。
AP&T 社と協力した日産の経験が、同じパートナーとより広範な新しいプロジェクトに取り組み続けることを当然のものとしました。
高速化と迅速な金型の交換
解決策は、タンデムラインのプレス機の数を、元々あった 5 台から 4 台に減らすことでした。1 台のディスタッカーと 10 台のスピードフィーダーと共に、残された 4 台のプレス機はドア、ルーフ、トランク用の金属パネルを製造するのに使用されている大容量の統合されたラインを構成しています。
プレス稼働率は手動での操作に比べて45%上昇し、さらに向上する可能性があります。
合計サイクル時間も、複雑さを低減した金型設計のおかげで減少しています。金型とグリッパーを交換するための自動化されたシステムは、セットアップタイムを半分に短縮しています。プレス工場における騒音レベルも低減し、作業環境を大きく改善させました。
日産との提携の成功は、AP&T 社に非常に多くの貴重な経験をもたらしました。
AP&T 社のオートメーションシステムズのプロダクトマネージャーであるマーティン・サールマンは、「ノウハウの相互交換は、将来への新しい可能性を切り開いてくれる信頼関係を構築することも可能にしてくれました」と述べています。
AP&T 社の英国およびデンマークを担当するマネージング・ディレクターのピーター・カールソンはこれに同意します。
「日産は迅速な技術開発を持っている強力なブランドです。彼らの旅の一部に携われたことは素晴らしいことです。」
*AP&T の英国日産との協力は、2011 年のオートローダ・プロジェクト と同時に始まりました。このプロジェクトにより、以前はスクラップになっていた金属廃棄物は、今では自動車向けの小型車体部品を製造するために使用されています。
2014年6月
要点
- キャシュカイ、ジューク、ノートのモデル向けの大型金属パネルが、日産の自動化された 4 台のプレスラインで製造されています。
- AP&T は、プロジェクトマネジメント、据付、試運転、教育に加え、1 台のデスタッカー、10 台のスピードフィーダー、そして金型とグリッパーの交換のための自動化システムのターンキーソリューションを提供しました。