AP&Tの顧客は、計画した生産ラインが実際の環境でどのように動作・機能するかの正確なイメージを入札段階で得られるようになりました。高度なシミュレーションプログラムを使用することで、AP&Tの技術販売チーム(technical sales team)はほぼ100%に近い精度で製造プロセスを視覚化し、サイクルタイムや生産能力を具体的に示すことができます。
AP&Tの技術販売ディレクターのMagnus Svenningssonは「シミュレーション結果は、顧客が実際に導入する生産ラインと基本的に全く同じものを示します。生産ラインに数百万ドル 相当を投資しようとしている企業は、適切な判断の根拠となる最適な基準があれば、簡単かつ安全に判断を下すことができます」と述べています。
このシミュレーションプログラム「Process Simulate」はシーメンス社が開発したもので、AP&Tが最大手顧客を多数抱える自動車業界で使用されています。AP&Tの特定のニーズに応えるために、スウェーデン・リンシェーピングの販売業者Summ Systems社がシーメンス社と共同で離散系シミュレーションに対応する稼働方法を考案しました。
AP&TのシミュレーションエンジニアのAndreas Vaktelは「私たちは3社共同で離散系シミュレーションに対応する優れたツールを考案しました。このツールによって生産ライン上の機械は仮想制御システムを通じて相互に通信が可能です。このシステムのおかげで私たちは、従来のタイムドリブン型シミュレーションでは検出できなかったと思われる、製造工程でネックとなりそうな箇所を早い段階で特定できます。 」と述べています。
Summ Systems社CEOのDick Nyström氏は「AP&T社は製造業界で屈指の販売業者ですから、同社との協力はいくつかの点で以前から重要でした。また他の産業分野でも現在積極的な協力関係にあります。同社がいわゆる「デジタル工場」に一歩踏み出して、離散系シミュレーション対応のProcess Simulateによるロボットシミュレーションとプログラミングの価値を理解することで、弊社による同システムの供給販売を引き続き強く支持してくれています」と述べています。
各段階で時間を短縮
このシミュレーションプログラムにより、オーダーメードの生産ソリューションをこれまでより短時間で開発するという新しいチャンスも生まれます。CAD環境からProcess Simulateへ、逆にProcess SimulateからCAD環境へも3Dレイアウト図を簡単にエクスポートできます。シミュレーションプログラムに直接調整候補案を加えることができ、これまでより短いリードタイムで設計作業から設計結果までを合理化できます。
このプログラムはバーチャル・コミッショニング にも対応しています。これは、工場に終了した生産ラインがある場合、シミュレーションプログラムを使用して機械を稼働開始できることを意味します。生産ラインのコントロールシステム(PLC)にダウンロードして、きわめて簡単に「デジタルツイン」を創り出すことが可能です。これにより機械はシミュレーション時とまったく同様に稼動します。こうして貴重な時間を節約し、早期に生産を軌道に乗せることができます。