熱間成形焼き入れ(HFQ®)高力アルミニウム製の車両部品は、将来の自動車、バス、航空機の軽量化を可能にする競争力のある代替品となり得るか? これがEUプロジェクトLoCoLiteの中心問題です。このプロジェクトには、AP&Tは欧州の15の産学の代表と共に、唯一の機械サプライヤーとして参加しています。

軽量素材を材料とするコンポーネントは、輸送機メーカーが将来の輸送機の燃費と排出量を改善する新たな機会を創出しています。しかし新たな代替素材が関心を集めるためには、環境への影響を抑えるだけに留まらない、より多くの貢献が要求されます。また現在利用できる代替素材と同等かそれ以上の安全性、品質、製造コストが要求されます。LoCoLiteは、EUの研究開発に関する第7次欧州研究開発フレームワークプログラムに含まれるものです。その目的は、高力アルミニウム製の複雑なコンポーネントを他社より有利に製造するための新しい方式、熱間成形焼き入れ(HFQ®)を開発することです。非常に期待感に満ち溢れたプロジェクトです。鋼製部品のホットスタンプのノウハウを活用して、アルミ部品の効率的な製造ソリューションを構築できる機会です。しかしアルミニウムの場合、工程設計と制御の面で別の要求が生じます。」AP&TのウルリスハムR&DセンターのプロジェクトマネージャーChristian Koroschetz博士はこのように述べています。

例えば、アルミニウムは約500度まで加熱されるのに対し、鋼材は900度以上の加熱が必要です。また複雑な形状の部品を成形するためには、高温のアルミニウムを高速で成形しなければなりません。

「高力アルミニウムの商業的製造ソリューションを構築するための経験を得るために、当社は18か月あまりのプロジェクトの間に、数多くの製造テストを実施しました。例えば、最近ウルリスハムのR&Dセンターで、ロータス社向けに車両のドアインナーを成形しました。これは高力アルミニウムを素材に使用し、単一の成形手順で成形された初めてのドアインナーです。非常に励みになる結果が得られました。わずか2ミリの厚さから最大50%も素材が引き延ばされたにも関わらず、強度の要件を満たすことができました。従来の冷間成形ではこのような結果は得られなかったでしょう」とChristian Koroschetz博士は振り返ります。

プロジェクトが中盤まで終了した段階で、AP&Tはこの新しい手法の将来的な可能性を実感しています。

AP&TのチーフテクニカルオフィサーMartin Skrikerud博士は次のように述べています。「お客様の間に軽量化への意識が高まっているのは間違いなく、当社はプロジェクトの終了前に、他社よりも優れた製造ソリューションを開発する予定です。」

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